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秒速5センチメートル…ノスタルジーを呼ぶ理由 - 映像ぴっか!

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秒速5センチメートル…ノスタルジーを呼ぶ理由




今日は「秒速5センチメートル」。
日本のアニメ映画です。2007年公開ね。

これ有名だったのかな。ある人に勧められて見たんだけど、
「ストーリーよりもその映像がすごいから見てくださいよ」って言ってた通りだな。
これはすごい。キレイっていう一言じゃ片付けられないほど
「こっちに向かってくる」映像だなと思いました。

地味だけど、生活の一部を切り取った小物が
リアルで気持ち悪いほどだったよ。
駅のホームの電光掲示板とか、ちょい昔のケータイのジャギー入った文字とか、
紙パックのコーヒー牛乳とか、机が斜めってる放課後の教室とかとか。
わずか1秒にも満たないフレームだけに登場する、

そういう小物へのこだわりってさ、
「職人がちゃんと作ってるぞー」っていう声が聞こえてきそうで嬉しいもんです。
(ただ、一応これらの小物はストーリー上とても重要なアイテムだから、
手を抜かないのは当然とも言えるけどね。)

この映像作品(あんま映画って言いたくない)のすごさは、
もちろん小物だけじゃなくて、
壮大な空とか星とか雪とか、そういう自然の描写にも現れます。
でもこの自然物はリアルっていうよりも、
大げさなぐらい「美しい」仕上がり。

この美しさが、少年少女の淡い恋愛を詩的な言葉で紡ぐっていうストーリーと
合ってるみたいです。
あーそういや若い頃こんなことあったねーっていう気持ちになれるよ。
ノスタルジーを呼び覚ますというか、
あの頃のなんとも言えない熱さや温かさというか、
二人には特別な思い出として残る自然の切り取りとか。

そういう感情がぶわーっと出てくる映像です。空気感まで思い出すってかさ。
ここまで「映像に包まれた」という感触を持ったのは初めてかもしんない。

水橋研二/近藤好美/尾上綾華/花村怜美

とここで、
作品の余韻が薄れて現実に戻ってみると、奇妙なことに気づきました。

よー考えたら、
二人でこんな美しい星空を実際に見たわけじゃないし、
これほど情緒的に雪が降る大木の下でキスしたわけでもない。
もっとずっと現実的なシチュエーションだったはず。
夕焼けはそんなに赤くなかったし、青空はあんなに広くなかった。

うんそっか、それは当たり前だ。
だってあまりに美しいこの映像自体がもう現実離れしてるからね。
ならばどうしてノスタルジーにしっとり包まれるような気持ちになったんだろ。

あ、わかった!この映画って小娘や小僧が見ちゃダメな映画なんだ。
今を生きる若者にとって、記憶は現実そのものです。
良くも悪くも思い出は本物。
そういう若い人がこの映画を見ると、
思い出と違う非現実的な映像に「え~っ!? どうなんこれわぁ!」って思うかも。

でも、我々おっちゃんおばちゃんというのは、記憶が美化されてるものなんです。
もしかしたらこの美化された記憶こそノスタルジーというのかもしれない。
だからこの映像に感情移入できるわけか。
時を超えて自分を包む「あの」空気を思い出させる助けになると。
そのための大げさな映像美なのかもしれない。

この作品を「キレイな青春アニメーション映画」
と感じちゃう人はまだ若いってことかもしれんね。
ということで、30歳以上限定でお勧め!
ハタチそこそこの小僧小娘は10年後に見ろ笑

<おまけ>
ちょっと残念な点もありました。
作品の後半にいくにつれて、小物たちの手抜きが目立つ気がする。
いや正確にはコンビニの雑誌が並ぶ1ショットだけだったかもしんないけど、
そういうわずかな粗さが目立ってしまう部分があったな。

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