音のない世界で…自分だけ健常者という異世界へ - 映像ぴっか!

音のない世界で…自分だけ健常者という異世界へ




カチンコ 今日は1992年のフランス映画「音のない世界で」を紹介しまっす。いろいろ賞をもらった作品らしいよ。ろう者たちの日常を淡々と映したドキュメンタリーです。

いわゆる障害者モノの作品ってさ,「障害を持つ人が健常者の社会で頑張って成功しましたー」的なのが多いじゃん?もちろんそれはそれで感動するお話だし,障害者も我々と同じように頑張れるんだっていうことを広めることで偏見も減ってくるんだろうね。

でもさ,どんなにどんなに意識せず見ようと思ってても,どうしても「健常者としての視点」で見ちゃうと思わん?あるいは制作者側から言い換えれば,どんなにどんなにノーマルな作品に仕上げようとしても,主人公である障害者が我々健常者に媚びてるような,どうしてもそんな風に映ってしまうような,そんな作品になると思わん?

脳性まひの人がトップセールスマンになるのは確かにすごいけど,別に健常者がトップセールスマンになったってやっぱりすごいわけでしょ?でも世間の注目は脳性まひの彼に向くわけじゃん。
いくら「障害者も健常者も同じなんだ」と自分の心に言い聞かせても,ぶっちゃけ現実には違うんだからさ,これはむしろ自然な感情だと思います。



さて,前置きがちっと長くなったけど,この「音のない世界」は,障害者が健常者の社会で頑張ってますーみたいな話じゃないんだわ。
いろんな人が出てくるんだけど,基本的には全員がろう者です。彼らが手話を使いながら暮らす日常を,ろう学校,家庭,社交クラブ,結婚式など,さまざまな場面でひたすら記録してる映画だね。
彼らの社会に,ぽつんと自分だけ飛び込んだみたいな気分になれるよ。だから,彼らが健常者に媚びてるどころか,場面によっては孤独感すら感じます。もちろん字幕が出るんだけど,その字幕をあえて消すとより一層リアル。

純粋なドキュメンタリーなんで,涙が出るような感動もないし,派手なCGなんていっこも出てこないけど,それでも面白かったです。
なんかね,「警視庁24時」とか「潜入!ススキノ裏社会」とか「マグロ漁船ルポ」みたいな,その世界に入り込んで取材するような作品っての?それと同じ面白さがあるわ。
一応オススメとしておきます。

<おまけ>
声を発しない分,みんな顔の表情が豊かで癒されます。特に,いちばんチビで泣き虫の男の子がめんこくてしゃーなかったよ笑
そういえばこの映画,BGMが全く存在しません。エンドクレジットすら無音。
ここまでこだわってくれるからその世界に入り込んだ気分になれるのかもね。

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